皆様、おはようございます!こんにちは!はたまたこんばんは!
パーソナルジム&ピラティスLea 代表の齊藤です!
デスクワークやスマートフォンの使用が多く、「背中が丸くなる」「肩甲骨の内側が張る」「肩甲骨をうまく動かせない」と感じることはありませんか?
こうした身体の悩みを考えるうえで、知っておきたい筋肉の一つが菱形筋(りょうけいきん)です!
菱形筋は背中の深層に位置し、肩甲骨と背骨をつなぐ筋肉です。肩甲骨の位置をコントロールし、腕を動かす際の土台を支える役割を担っています!
今回は、菱形筋の解剖学的な特徴や働き、トレーニング方法について、エビデンスを交えながら解説します!
菱形筋の重要な役割は「肩甲骨の安定」
菱形筋というと、「肩甲骨を寄せる筋肉」というイメージが強いかもしれません。
確かに、菱形筋は肩甲骨を内側へ引き寄せる動作に関与します。
しかし、実際の身体動作では、筋肉を単独で働かせることはほとんどありません。
例えば、腕を上げたり、物を引いたり、スポーツで腕を振ったりするときには、菱形筋、僧帽筋、前鋸筋などの筋肉が協調して肩甲骨をコントロールします。
つまり、菱形筋は単純に「肩甲骨を寄せる筋肉」ではなく、肩甲骨を安定させ、上半身の動きを支える筋肉の一つと考えることが重要です!
菱形筋と姿勢の関係
デスクワークやスマートフォンの使用などでは、長時間同じ姿勢を続けることがあります。
このとき、頭や腕の位置、胸椎の動き、肩甲骨の位置などが変化し、肩周辺の筋肉にもさまざまな負荷がかかります。
ただし、「猫背の原因は菱形筋が弱いから」と単純に考えることはできません。
姿勢は、胸椎や頸椎の位置、骨盤、肩関節、筋力、柔軟性、普段の活動量など、多くの要素によって決まります。
そのため、菱形筋だけを鍛えれば姿勢が必ず改善するというわけではありません。
一方で、菱形筋を含む肩甲骨周囲の筋肉を適切にトレーニングすることは、肩甲骨をコントロールする能力を高めるための一つの方法になります。
菱形筋は肩の動きにも関係する
肩関節は、肩甲骨と上腕骨が協調して動くことで、広い可動域を実現しています。
そのため、肩甲骨の動きが適切であることは、腕をスムーズに動かすうえでも重要です。
肩甲骨周囲の筋肉について調べた研究では、ローイングなどの運動によって、菱形筋を含む肩甲骨周囲の筋肉が活動することが確認されています。
また、近年の研究では、A・T・Yエクササイズなど複数の肩甲骨エクササイズにおいて、菱形筋が一定レベルで活動することも報告されています。
このことからも、菱形筋は肩甲骨のコントロールを考えるうえで重要な筋肉の一つといえます。
菱形筋を鍛えるおすすめエクササイズ
菱形筋のトレーニングでは、肩甲骨を適切に動かしながら負荷をかけることが重要です。
① ローイング
ローイングは、菱形筋を含む肩甲骨周囲の筋肉を鍛える代表的な種目です。
チューブやケーブル、ダンベルなどを使用し、腕を後方へ引きながら肩甲骨をコントロールします。
ただし、肩をすくめたり、腰を反らせたりしないことがポイントです。
研究でも、ローイングは肩甲骨周囲の筋肉を活動させる運動として報告されています。
② バンド・プルアパート
胸の前でチューブやバンドを持ち、左右に引き伸ばします。
肩甲骨を無理に寄せるのではなく、胸郭を安定させた状態で腕を動かすことを意識します。
③ リバースフライ
ダンベルやケーブルを使用して、腕を左右に開きます。
菱形筋だけではなく、僧帽筋や三角筋後部なども働くため、肩甲骨周囲を総合的に鍛える種目として活用できます。
④ A・T・Yエクササイズ
うつ伏せや立位などで腕をA・T・Yの形に動かします。
それぞれ腕の角度が異なるため、肩甲骨周囲の筋肉をさまざまな条件で刺激できます。
研究では、A・T・Yなどの運動によって菱形筋や僧帽筋、前鋸筋などが活動することが確認されています。
⑤ ケーブルロウ
ジムで行う場合には、ケーブルロウも取り入れやすい種目です。
重量を重くしすぎず、肩甲骨と上腕の動きをコントロールしながら行うことがポイントです。
「肩甲骨を寄せる」だけでは不十分
菱形筋のトレーニングでは、「肩甲骨を思い切り寄せる」ことだけを意識しないことも重要です。
肩甲骨は、身体の動きに合わせて内転・外転・上方回旋・下方回旋など、さまざまな方向へ動きます。
また、菱形筋は僧帽筋などと協調して働きます。
ある研究では、肩甲骨を後方へ引く運動において、肩の位置によって菱形筋と僧帽筋の活動比率が変化することが確認されています。つまり、同じ「肩甲骨を寄せる」運動でも、腕や肩の位置によって筋活動は変化します。
そのため、菱形筋を鍛える場合も、「どれだけ肩甲骨を寄せられるか」だけではなく、肩甲骨を適切な位置に保ちながら、腕や体幹を協調させて動かせるかを重視するとよいでしょう。
菱形筋を鍛えるときの注意点
菱形筋のトレーニングでは、次のようなフォームに注意しましょう。
- 肩をすくめない
- 腰を反って反動を使わない
- 肩甲骨を無理に寄せすぎない
- 首に力を入れすぎない
- 重量よりも動作のコントロールを優先する
特にローイングでは、重量が重くなるほど身体を後ろへ反らせたり、肩をすくめたりしやすくなります。
「重い重量を引くこと」よりも、肩甲骨・肩関節・胸郭を連動させてコントロールすることを意識しましょう。
まとめ
菱形筋は、背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉で、肩甲骨を背骨側へ引き寄せる働きだけでなく、肩甲骨や肩甲帯の安定性にも関わっています。
肩甲骨の動きは、肩関節や腕の動きとも密接に関係しているため、菱形筋を含む肩甲骨周囲の筋肉を適切にトレーニングすることは、上半身の機能を考えるうえで重要です。
ただし、姿勢や肩の不調を「菱形筋の弱さ」だけで説明することはできません。
ローイング、バンド・プルアパート、リバースフライ、A・T・Yエクササイズなどを活用しながら、菱形筋だけではなく、僧帽筋や前鋸筋などを含めた肩甲骨全体の動きと安定性を高めていくことが大切です。
Leaでは、単純に筋肉を鍛えるだけではなく、姿勢や関節の動き、筋肉の働きを確認しながら、一人ひとりの身体に合わせたトレーニングを行っています。
「肩甲骨周りを安定させたい」「背中を正しく鍛えたい」「姿勢を改善したい」という方は、ぜひご相談ください。
参考文献
- StatPearls. Anatomy, Back, Rhomboid Muscles.
菱形筋の解剖、肩甲骨・肩甲帯の安定性などについて。
PubMed|Anatomy, Back, Rhomboid Muscles - Moseley JB Jr, Jobe FW, Pink MM, Perry J, Tibone J. EMG analysis of the scapular muscles during a shoulder rehabilitation program.
肩甲骨周囲筋の活動とエクササイズについて検討した研究。
PubMed|EMG analysis of the scapular muscles during a shoulder rehabilitation program - Fennell J, Phadke CP, Mochizuki G, Ismail F, Boulias C. Shoulder Retractor Strengthening Exercise to Minimize Rhomboid Muscle Activity and Subacromial Impingement. Physiotherapy Canada. 2016.
PubMed|Shoulder Retractor Strengthening Exercise - Park KM, et al. Effects of pulling direction on upper trapezius and rhomboid muscle activity. Journal of Physical Therapy Science. 2017.
PubMed|Effects of pulling direction on upper trapezius and rhomboid muscle activity - Muscle Activity During Scapular Muscle Exercises With Multijoint Compound Movement: Analysis Using Fine-Wire and Surface Electrodes. 2022.
A・T・Yなどのエクササイズにおける肩甲骨周囲筋の活動を検討。
PubMed|Muscle Activity During Scapular Muscle Exercises
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