皆様、おはようございます!こんにちは!はたまたこんばんは!
ピラティス&パーソナルジムLea代表の齊藤です!

ベンチプレスを行う際、「背中を反らせてアーチを作る」というフォームを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

特にパワーリフティングでは、胸を高く持ち上げ、肩甲骨を寄せた状態でベンチプレスを行う「アーチ(ブリッジ)」がよく使われます!

一方で、「腰を反らせるのは危険なのでは?」「胸を張ることと腰を反ることは同じ?」と疑問に感じる方もいるでしょう!

今回は、ベンチプレスにおけるアーチの目的と、一般的なトレーニングで意識したいポイントについて解説します!

ベンチプレスのアーチとは?

ベンチプレスにおけるアーチとは、仰向けになった際に、胸椎から腰椎にかけて自然な背中のカーブを作り、胸郭を高い位置に保つフォームのことです!

ただ単に「腰を反る」のがアーチではありません。

基本的には、

  • 肩甲骨を寄せる
  • 肩甲骨を下げる
  • 胸を高く保つ
  • 足で床を押して身体を安定させる
  • 背中をベンチに固定する

といった要素を組み合わせて、身体全体を安定させます!

つまり、ベンチプレスのアーチは「腰を反らせるためのテクニック」というより、上半身を安定させ、力を効率よく伝えるためのセットアップと考えると分かりやすいでしょう。

なぜアーチを作るのか?

大きな目的の一つが、身体を安定させることです。

ベンチプレスでは、胸や腕だけでなく、背中・肩甲骨・体幹・下半身まで使って身体を固定します。

特に肩甲骨をベンチに安定させることで、バーベルを下ろす際の肩関節の動きをコントロールしやすくなります。

実際に、パワーリフティングで使われるアーチ型のベンチプレスでは、標準的なフォームと比較して広背筋の活動が高くなり、肩関節にかかる負荷が小さくなる可能性が報告されています!

これは「アーチ=腰を反る」という単純な話ではなく、肩甲骨・胸郭・背中を一体として安定させることが重要だということを示しています!

アーチを作ると可動域が短くなる

アーチを作るもう一つのメリットが、バーベルの移動距離を短くできることです。

胸を高くすることで、バーベルを胸まで下ろした際の移動距離が短くなります。

つまり、同じ重量でもバーベルを動かす距離が変わるため、最大重量を競うパワーリフティングでは大きな意味を持ちます。

実際、2024年の研究では、アーチを作ったベンチプレスではフラットなフォームと比較して1RMが約4.2kg高くなった一方、バーベルの移動距離はフラットフォームの方が大きかったと報告されています。

ただし、すべての研究でアーチによる最大挙上重量の明確な向上が確認されているわけではありません。

競技パワーリフターを対象とした別の研究では、フラットとアーチ型で1RMに有意差がみられませんでした!

そのため、「アーチを作れば必ず重量が伸びる」と考えるのではなく、目的に応じてフォームを使い分けることが重要です!

アーチ=腰を強く反ることではない

ベンチプレスのアーチで最も注意したいのがここです。

「アーチを作る」と聞くと、腰椎を強く反らせることをイメージする方がいます。

しかし、必要以上に腰だけを反らせるのは適切なフォームとは言えません。

重要なのは、

胸郭を持ち上げる
↓
肩甲骨を安定させる
↓
足で床を押す
↓
身体全体をベンチに固定する

という流れです。

腰椎だけを無理に反らせてアーチを作るのではなく、胸椎・胸郭・肩甲骨・骨盤・下半身を含めた全身のポジションとして考えることが大切です。

一般的な筋トレでは「適度なアーチ」で十分

パワーリフティングのように1RMを競うのであれば、大きなアーチを使うことがあります。

しかし、筋肥大や健康維持を目的とした一般的なベンチプレスでは、必ずしも大きなアーチを作る必要はありません。

むしろ、

「肩甲骨を安定させる」
「胸を軽く張る」
「自然な背骨のカーブを維持する」
「足で床を押して身体を安定させる」

程度から始めるとよいでしょう。

2022年の研究では、パワーリフティング型のアーチフォームと標準的なベンチプレスでは、肩関節への負荷や筋活動にも違いが生じることが報告されています!

つまり、アーチは「作れば作るほど良い」のではなく、トレーニング目的や身体の状態に合わせて適切な範囲で使うことが重要です!

ベンチプレスで意識したい5つのポイント

ベンチプレスでアーチを作る場合は、次のポイントを意識してみましょう。

① 頭・背中・お尻をベンチに安定させる

特にお尻が浮かないように注意します。

大きなアーチを作ろうとして、お尻まで浮いてしまうのは避けたいポイントです。

② 肩甲骨を寄せて下げる

肩をすくめず、肩甲骨を後ろに引き、下方向へ安定させます。

これによって上半身の土台を作ります。

③ 胸を高くする

「腰を反る」よりも、「胸を高くする」と考える方がフォームを作りやすいでしょう。

④ 足で床を押す

ベンチプレスは上半身だけの運動ではありません。

足で床を押し、身体全体をベンチに固定することで、より安定した動作につながります。

⑤ 無理に大きなアーチを作らない

柔軟性や骨格には個人差があります。

他人と同じ大きさのアーチを作る必要はありません。

「自分にとって安定して力を出せるポジション」を探すことが大切です。

アーチは「安定性」と「力の伝達」のために使う

ベンチプレスのアーチは、単に腰を反らせて重量を持ち上げるためのテクニックではありません。

肩甲骨、胸郭、背中、骨盤、下半身を安定させ、身体全体でバーベルを押すためのセットアップです。

また、アーチによって可動域が変化するため、パワーリフティングのように最大重量を競う競技では重要な技術になります。

一方、一般的なトレーニングでは、大きなアーチを作ること自体を目的にする必要はありません。

「腰を反る」ではなく「身体全体を安定させて胸を高くする」

この考え方でフォームを作ると、ベンチプレスのアーチをより安全かつ効果的に活用しやすくなります。

Leaでは、筋力を高めるだけでなく、姿勢や身体の使い方を確認しながら、一人ひとりに合ったトレーニングフォームをご提案しています。

ベンチプレスを含め、トレーニングで「どこに力を入れればいいか分からない」「腰や肩に負担を感じる」という方は、フォームを一度見直してみることをおすすめします!

参考文献

  1. Cudlip AC, Maciukiewicz J, Pinto BL, Dickerson CR. Upper extremity muscle activity and joint loading changes between the standard and powerlifting bench press techniques. J Sports Sci. 2022.
    PubMed|PMID: 35236248
  2. García-Ramos A, et al. Differences in the one-repetition maximum and load-velocity profile between the flat and arched bench press in competitive powerlifters. Sports Biomech. 2021.
    PubMed|PMID: 30526366
  3. Bartolomei S, et al. Flat-Back vs. Arched-Back Bench Press: Examining the Different Techniques Performed by Power Athletes. J Strength Cond Res. 2024.
    PubMed|PMID: 38551927
  4. Mausehund L, Krosshaug T. Understanding Bench Press Biomechanics—Training Expertise and Sex Affect Lifting Technique and Net Joint Moments. J Strength Cond Res. 2023.
    PubMed|PMID: 35157403
  5. Neto FR, et al. Performance Differences Between the Arched and Flat Bench Press in Beginner and Experienced Paralympic Powerlifters. J Strength Cond Res. 2022.
    PubMed|PMID: 32740285

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